25年間通い続けて手に入れたローンマウンテン

Lone Mt. Yasutomo Kodera K18 Ring 301



小寺が長年かけて集めてきたターコイズの中でも、ひときわ印象に残っている石があるという。


ローンマウンテン。ネバダ州に数あるターコイズ鉱山の中でも、歴史ある産地のひとつだ。気の遠くなるような長い時間をかけて、様々な成分が積層していくことで生まれたターコイズは、淡く力強いブルーと、非常に硬質な石が特徴となっている。


SKYSTONEで小寺が製作したローンマウンテンジュエリーはいずれも、小寺が20年以上現地に通いながら、少しずつ信頼を得て入手した運命的なターコイズ。そのほとんどは、1960〜70年代に発掘されたヴィンテージ・ターコイズと言われている。


40年以上前はすぐに破れる紙でケースがシーリングされ、「絶対に売らない」と書かれていた。小寺はその後も毎年、ことあるごとに現地を訪れて少しずつターコイズを購入しながら根気強くアタックし、25年以上口説いてやっとそのフタを開かせた。


今回ご紹介するローンマウンテンも、その中にあったターコイズのひとつだ。


可能な限り原石を生かした「アイランドリング」



現在巷に出回っているローンマウンテンの原石の多くは、小豆や大豆くらいの小さな粒ばかりだという。適切にカットし、ターコイズの輝きが見えるくらいまで切り出していくと、それらは1センチにも満たない。##301クラスのリングとなると、ほとんど目にすることもない。


荒々しく自然な姿に近いカットを採用したこのローンマウンテンは、「アイランドリング」と呼ばれている。形状はワイルドでありながら、繊細なラインと美しい青色の光を見た米国のジュエリーバイヤーたちが称した。小寺のセンスが光るオリジナルデザインだ。


「半世紀近い歳月をジャーに保管されていた石が、ついに日の目を見たわけですから、そんなターコイズの想いも加味して、大きめの単体リングに仕立てました。


本来このサイズであれば、1個の石から2つのターコイズジュエリーが作れます。でも、それでは普通の石と変わりません。不純物が入った部分を研磨し、削りながら、少しずつ時間と労力をかけて石の美しさを引き出す『スキニング』という作業を行い、可能な限り石の凸凹をそのまま生かした作品にしました」

ローンの原石。左が一般的に出回っているサイズで、右がアイランドリングで使用するサイズ。その大きさの違いは明らか。

ひとつのリング制作に全身全霊を注ぐ


ゴールドの台座を持つ「Lone Mt. Kodera Original K18 Ring 301」をよく観察すると、茶色と金色のラインが細く入っている。その輝きは、不純物を一切受け付けないダイヤモンドなどの宝石にはない、自然で無垢な偶然の産物。太古の昆虫や植物の化石などがターコイズ化することもあるが、この石にもわずかにその傾向が見られる。


そしてアイランドリングの難しいところはもうひとつ、変則的な形状を守る台座をいかにして作るかだ。


「このリングについては、基本的に1個の石でひとつのリングを作ります。まずはロウで台座を作り、それを元に型を作ってゴールドやプラチナのリングにします。石の形が整っていないので、周囲を守るようにぴったり石を作って深くはめ込まなければいけません」


ジュエリーデザイナーと言っても色々な考え方があるが、小寺は望む形に石を整形するのではなく、1個1個の石に合わせたリングを作る。製作にも時間がかかるが、それがポリシーであり、小寺流のターコイズとの向き合い方だ。


ローンマウンテンならではの“表情”を楽しむ



「この石は表情がとても良い。ちょっと緑が入ったような水色っぽい色合いですよね。ほとんどの石には線が入らず、その方がいいものと思われがちですが、ローンマウンテンは『メトリックス』と呼ばれる線がキレイに入っていて光もある。1万個に1個あるかないかという貴重な石です」


濃い色の石に合わせて18Kゴールドを組み合わせた。主役はあくまでターコイズだ。



数億年の昔からネバタの山中でひっそり育ってきたターコイズが、その輝きを届けるのは誰か。つける者に大きな満足感と忘れがたいインパクトを与えてくれるアイランドリングを、ぜひあなたの指を通して楽しんでほしい。

Lone Mt. Yasutomo Kodera K18 Ring 301

1970年頃に採掘されたLone Mountain の中に、目を見張る石がある。
色合いの良さに加え、硬度が高く粘り気もあり、それによって強い艶が生まれ、割れにくいから、永く使い続けられる。

[今や入手困難な1970頃のLone Mountain ]
しかしその時代のスーパーハイグレードのLone Mountain のルースはほぼ出回らず、新たに入手する事は困難を極める。
小寺が長年を掛けて信頼関係を築いてきたオーナーから、一族の家宝とも言えるナゲット(塊り状の原石)を年にいくつかを小出しに提供頂き(とても高価)、それを自らカットし磨き上げている。

[アイランドリング]
厚みがある高品位のLone Mountain のナゲットは通常、真ん中から2枚におろし複数のジュエリーを制作する。
しかし、あえて石を薄く切る事をせず、原石の迫力のままの石をセットしたリングである。
石を薄く切っていないことで、バッキングがなくても強度が保持される。
(多くのターコイズのルースは、薄くカットした石の裏側に樹脂などで出来たバッキングを付着させて強度を確保している。石のカラット数にはバッキングの重さが加わっている)
小寺の石に対する造詣とセンスにより不要な部分は慎重に削り落としている。

長く装着しているうちに、どうしてもリング自体には小傷がつくが、硬度の高いLone Mountain は益々と艶が出る感じがする。
着用しているうちに裸眼では見えない石の表面のスクラッチが消えて滑らかになるからかもしれない。
石が愛おしくて手触りの良い石の凹凸を無意識にも撫でてしまう。

黄金色のゴールドに浮かぶターコイズの青い島(Island)
このリングを手にすると、贅沢な風景に、思わずうっとりすることであろう。

石の大きさは最大 縦 約20mm、横15mm
リング重量:約40g
際立って深い色の石だ。ゴールドの強い光にも負けない輝きと奥行きを兼ね備えている。

Lone Mt. Yasutomo Kodera K18 Ring 301

SOLD OUT
■Category: Ring
■Artist: Yasutomo Kodera
■Origin: Lone Mountain
■Size: 21号
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