ネバダブルーは、1970年頃にショショーニ族が発見したと言われるターコイズだ。均一なマトリックスが特徴で、時折茶色が混じる。この石が生まれたのも1970年頃と言われており、初期のネバダブルーのひとつ。
元々施されていたカットは四つの角の高さがすべて違う四角形だったが、石自体は非常に硬く、色も品質も良かった。そこで、石の繊細な表情を探りながら研磨したところ、自然と現在のスクエアな形状に決まっていった。石に導かれるようにジュエリーのかたちが決まっていくこともよくあることだ。
第一印象では、元々の濃い目の青とマトリックスにより、ディープブルーに見える。しかし、随所に散りばめられたブラウンの光沢によって、この指輪は見る者や角度に応じてさまざまな表情を見せる。
そんな印象に合わせるように、石の枠にはゴールドをあしらった。さらにスターリングシルバーの台座が影となり、ゴールドの光とシルバーの影が、アンティーク・ターコイズの持つ性格をさらに引き立たせている。
実は、石の特性を生かせる作品に仕上げるまでには非常に時間もかかった。
四角形のマウントを削り出し、飾りを支えるシャンクを作成してはめ込んだ。石を削り石座にピッタリはめ込む作業は、非常に繊細で手間も時間もかかる。石をドーム状にするためにマウント部に接着させるのだが、少しでも隙間を作ったままつけてしまうと、リング部分を取り付ける際にゆがんでとれてしまう。慎重に慎重に、何度も作業を繰り返しながら、試行錯誤の末に出来上がった作品だ。
スクエアなデザインの指輪は、今も昔も特に男性に人気だ。人差し指につけると柄がさりげなく見えて、オンでもオフでも、TPOを問わずに楽しめる。
小寺康友がこれまで秘蔵してきたヴィンテージ・ターコイズの数々。世界的にも貴重なターコイズ・コレクションだが、そのなかでもクオリティーが高く、現代のファッションに合わせて身につけてもらいたいと思うターコイズを厳選し、「2020リザーブドエディション」として、特別に製作したリングを紹介する。
深き青の中に光る黄金の輝き。均一な美しいマトリックスは、ネバダブルーの石のなかでも最上級だ。スクエアのカットも美しく、唯一無二のリングに仕上がった。
■カテゴリ: | Ring |
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■作家: | Yasutomo Kodera |
■産地: | Nevada Blue |
■サイズ: |
石の大きさ:最大縦 約21mm×横18mm 重さ:42g サイズ:24.5号 コインシルバーと同じ成分の銀板を叩いてタガネとヤスリでリングを手作業で作っています。 |