この石のような青さになるブルージェムは、もうほとんど出てくることはないといわれている。薄い色にこの濃い色が入る場合はあるが、全体がこの青い色というのは非常に珍しいものだ。
ネバダ州のランダー郡にあるブルージェムの鉱床の大半が脈状であり、ターコイズは薄く、母岩は砂岩のようにやわらかい石。しかし、ガラス質でターコイズだけはとても硬い。そんな特徴がある。
鉱脈全体では、緑色から青色まであらゆるカラーバリエーションが採れることでも有名だが、トップグレードのものだけが透き通るようなブルーを見せる。そうでないものは、緑色の石がほとんどだ。
この石の色は、わずかに緑が入ったブルーで、ブルージェムのなかでももっとも鮮やかな青が出ているものになる。
実はこの色合いが日本人の肌の色に一番合うとされる。エメラルドが日本人の肌の色の反対色といわれ、少し緑が入ることによって、肌の白い人はより白く見えるとされているのだ。
そして、青に入る茶色の部分の表情はブルージェム独特のもので、マトリックスがあまり入らない代わりに、ブルージェムではこの茶が入るものが多い。
鮮やかな青色とのコントラストは、荒涼とした大地と青空を表すような、まさにこの石の故郷の色をそのまま写してきたような美しさが感じられる。
もともとこの石は、1950年代の指輪についていたもので、もっと大きな石だったが、あまりに硬い石であったのと裏の処理がうまくできていなかったので、ガタつきが生まれ、3個に割れてしまった。そのうちの1つを手に入れたもので、さらに切り直している。
石の茶の表情にあわせてベゼルは18金を使用。その周囲を2本の銀をねじったロープで囲んだ。このロープは繋ぎ目を見せないよう、慎重に処理をして仕上げている。
また、石の形が歪んだ三角形になっているため、それに合わせて石の向きをすこしだけ斜めに調整している。指にはめたときに、石がもっとも美しい角度になるよう、計算した結果だ。
わずかに緑がかった美しいブルーと、荒涼とした大地のような茶の模様。この小さな世界から、ネバダの大自然を感じられるターコイズの不思議な魅力をぜひ感じて欲しい。
小寺康友がこれまで秘蔵してきたヴィンテージ・ターコイズの数々。世界的にも貴重なターコイズ・コレクションだが、そのなかでもクオリティーが高く、現代のファッションに合わせて身につけてもらいたいと思うターコイズを厳選し、「2020リザーブドエディション」として、特別に製作したリングを紹介する。
この石のような青さになるブルージェムは、ほとんど出てくることはない。薄い色にこのような濃い色が入る場合はあるが、全体がこの青というのは非常に珍しいものだ。グリーンがかった独特の青は、ネバダの空のようだ。
■カテゴリ: | Ring |
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■作家: | Yasutomo Kodera |
■産地: | Blue Gem |
■サイズ: |
石の大きさ:約30×横20mm リングの重さ:約36g サイズ:21号 コインシルバーと同じ成分の銀板を叩いてタガネとヤスリでリングを手作業で作っています。 |